晴天の霹靂

自分が癌になるなんて思ってもみなかった人間が、初めて癌になって知ったことを色々書き留める日記。誰のためでもない、自分のための備忘録

診察

私が飲んでいるのはタモキシフェンです

 

薬は3か月分処方されるので3か月に1回は診察(そして処方箋を貰う)

 

診察に行った時「どうですか?」と聞かれるので

 

「体調的には大丈夫ですが、まだ仕事に復帰出来てません」と答えると

 

「まだ戻ってないの!?」と言われる

 

…いや。あのぅ

 

体力が回復しないんだよ。

正直言って、通勤に片道2時間もかかるような勤務地には通勤だけで体力消耗

(通勤だけで一仕事終えた状態)

 

病気になる前だって辛くて辛くて仕方なかった

病気して、体力落ちたら電車に乗って移動するのも1時間くらいなら何とかなるけど、2時間なんて論外

 

会社に「通勤片道1時間の処に異動させてくれ」と言っても

 

「急には動かせない」

 

…こりゃあ、辞めるまで動かす気はないな

 

 

なので、体力が戻るまでは休んでいるのです(戻るかどうか解らんがな)

 

その帰り道、色々アドバイスを貰っている地元のお医者さん(not外科)に話したら

「(体力づくりとはいえ)あんまり歩きすぎるのも良くないぞ」と言われたのでありました

 

 

 

ちなみに外科の先生に「体力作りって何やってるの」

と聞かれたので

 

「体育館でプログラムの運動や、ウォーキング」と答えたら

 

「なんちゃって体操じゃなくてちゃんとした体操しろ」と言われたのですが

「ちゃんとした体操って何…?」と聞いたら

 

「ラジオ体操」

 

 

思わず頭の中で

「あーたーらしーいあーさがきったっ」

と歌が流れたのでありました…

 

結果を聞きに行く

ちょうど手術をしてから1年になります。

 

今回は検査の結果を聞きに行くわけですが

 

主治医の先生は

病棟>検査>外来

 

な感じで機嫌が悪い(とゆ~か忙しすぎるからだけど)

 

なので、行く前から

「また先生が荒ぶってるのかなぁ…」

と覚悟をして行ってみたらば

 

 

…あれ?機嫌がいいぞ

 

何なら超!穏やかで優しいぞ(いや、元々先生はそういう人だった筈)

 

何故だろ~…と思ってみると、恐らく

 

 

年末で新規入院患者も無く、手術も無いから

 

 

ではないかと

 

 

検査結果を聞きに診察室へ入ると

血液検査の結果の用紙を渡され

 

「問題ないです」

 

CTの画像を見ながら(マウスでグリグリ画像展開させながら)

「問題ないですね~」

 

 

…素人には何が問題がないのかあるのかすら解らんぞな

 

と思い、つい

 

「解説が無いと解りません」

と口走ってしまったのです。

 

すると先生が、画像をゆっくり展開させながら

 

「ここが心臓、ここが肺」

と丁寧に一つ一つ説明してくれてるではないですか!

 

…吃驚

 

そして、肺の画像の中に白いポツポツが点々と写っているので

「この白い点々は何ですか」と聞くと

 

血管です

 

 

…なるほどぉ

 

こんなに親切丁寧な先生は久しぶりだ(手術前の説明の時以来かも)

 

 

そしてついでに

「エコーの結果はどうだったんですか?」

と聞くと、こちらも問題なしとの事

 

 

なので

 

「先生が、エコー見てる時、時々手が止まるたびにドキッとしてたんですよ~」

と言うと

 

「写真を撮るために手が止まってるんだよ」

と言われる

 

そして

 

「何か異変があったら、僕はその場で言います」

 

…先生は言うタイプなんだね

 

人によってはその場では言わずに診察室で言う、ってタイプの人もいるしね

 

 

 

何はともあれ、1年検診も無事クリア!

 

あと4年も逃げ切れる…か!?

 

 

そして、胸に塗っているクリームはまだあるか?と聞かれたので

4本残ってますと伝える

 

ついでに

「色が薄くなるまで塗ればよいのですか?」

と聞くと

 

「…ほぼ一生」

と言われる

 

 

…一生かぁ

 

先生、ずっとここの病院にいてね

 

と心の中で思ったであります

 

術後1年の検査

12月です

 

手術をしてから1年経ちました

 

とゆ~訳でまた検査です

 

検査内容は前回と同じく

CT

血液検査

エコー

 

…の前に。

 

病院入り口での検温があるのですが、以前は非接触型体温計でピッと図っていたのが

 

テレビ画面みたいな方に向いて自動検温になってるぅ~

 

…でも34.3度とかありえない数値出てるけどな

 

…大丈夫か?

 

 

まぁ、ダメだと言われても入るけどな(定期検査だし)

 

 

検査受付は血液検査と先生のエコー

 

予約時間は朝いちばんの時間ですが、早めに行って待機

 

すると

 

エコーの検査室で私の前にエコー検査受けてる人が(確認できただけで)4人

 

多分その前からやってる

 

…私の検査予約時間、朝一番になってたけど

実際はそれより前から始めてるって事…だよね?

 

 

…先生、大変だなぁ

 

これじゃ、外来の時殺気立ってるのも仕方ないかぁ…

 

と改めて考える

 

エコーの時、患部は右胸なのですが、左胸のエコーの時に先生の手が止まって、画像に赤と青の混ざったような線が走ったのに緊張…

 

しかしその場で言ってくれる訳ではないので

次の診察までのお楽しみ(ではない)

 

その後CTを撮ったのですが

「金具のある服は脱いでください」と言われ、下着だけ外したのに

 

「ズボンの中に鍵入れてるでしょ。あとズボンの金具」と言われた…

 

撮るのは胸だけではないのか…?

 

仕方ないのでズボンも下げる羽目に

 

これって子宮も撮ってるのかなぁ…?

 

 

何にせよ、結果は再来週

 

 

…無事でありますように

 

 

9か月目の診察

検査は半年に一度ですが、診察は3か月に一度です

今回は診察(&タモキシフェン処方)

 

塗り薬は前回4本も出されたので、ケチらず景気よく塗ってますが、全然減りません

 

そして今回

先生に「何か変わった事ありますか?」と聞かれ

 

「運動に制限はない、と前回聞いたのでバーベル持ち上げたら胸の下がピキッって言って、痛くなって整骨院に行ったら

「肋骨剥離」って言われました」

と伝えると

 

「整形でレントゲンとったわけじゃないんでしょ?」

じゃあ、筋肉痛めたのかもしれないよね?

 

…そうだった。この先生は数値とかで現れないものは信じないタイプだった

 

「でもずっと包帯してましたよ」

といえば

「包帯するはずないでしょ。コルセットみたいのまくはずだよ」

いやいや。夏場で暑くて痒くて仕方ないから包帯にしてもらったんだってば

 

と、思いつつも

この先生とは多分折り合えなさそう…というか

以前も先生も私も譲らないことがあって言い合いになって看護師さんがなだめに入った事あったんだよね。

 

なので曖昧に有耶無耶にお茶を濁す

 

タモキシフェンを飲み始めて9か月なので先生に聞かれたのは

「生理止まった?」

…よくわかったな

 

そして次回の12月はまた検査をする、と言われました

 

こちらからの質問として

 

「無料で受けられる検診がいろいろあるのですが、子宮がん検診って受けた方がよいですか?」

これは、前回の検査の時にCTで子宮も見てるんじゃね?って思っていたのです

 

先生はあっさりと

「受けとけば?」

 

…ほんと、私に興味ねぇな(笑)

 

今回は短めに診察終了

 

相変わらずローテンションの先生なのでした(笑)

検査結果

先日受けた、半年検診の結果が出ました。

 

病院は入り口で検温しますが、何故か私の体温は36度(ジャスト)

そして検査の人に「予約診療ですか?」と聞かれる

 

…飛び込み受診は出来ないのだろうか…?

 

無事通過して外科へ

 

そして検査結果を聞く緊張の瞬間

 

血液検査…問題なし

CT…問題なし

 

思わず「…良かったぁ」と声が漏れる

 

とゆ~わけで半年検診はクリア

 

塗り薬がまだあるか、と聞かれ(半年前に4本貰った)2本残ってる、と伝えたら

 

何故か追加で4本処方された

 

…まぁ、足りないよりはいっか。

 

タモキシフェンも切れそうなので追加処方されました

 

今回は割と難なく終わりそうだったので少し質問

 

「あの…運動に制限はないんですよね?」

「無いですよ」(何故か明るい声の先生)

 

「じゃあ…ダンベルとかバーベルとか持ち上げても平気ですか?」

「大丈夫です」

 

ところがこの前日に私はバーベルを持ち上げていた時に胸にピキッと軽い衝撃が走っていたのです

 

「実は昨日、バーベル持ち上げてたら胸がピキッって言ったんですけど、本当に大丈夫ですか?」

「何キロのを持ち上げたの?」

「2キロです」

というと

 

「20~30キロのものを持ち上げたのでなければ大丈夫ですよ」

 

…あのぅ。私、こう見えても(どんなだ)そんなに力持ちじゃないんですよ

 

という言葉を飲み込む(冗談通じるタイプの先生じゃないから)

 

なので

「無理無理無理無理」

ジョジョばりに(あれ?あっちはムダムダムダだっけ?)と手を振る

 

外科は今回は割となごやかに診察終了したのであります。

 

そして

 

続けて放射線科の診察へ

 

こちらは肌の状態を確認して、問題ないので

「今回で終診とします」

 

 

もうここに来ることもないだろう…と思うので一応

「あの…岡江久美子さんがコロナで亡くなってますけど…」と聞いてみると

 

放射線治療が影響してる、なんて言ったのは素人です。放射線学会とかも『コロナと無関係』と声明をだしてます」

 

…こちらもコロナ関係の質問するとやや機嫌悪くなりがち?

 

と思いながら聞いていると

 

「大体、世の中に同じように乳がん治療してる人がたくさんいます。その人たち全員が亡くなってるワケじゃないし、そんな事言ってたら家から出られないでしょう?」

 

…仰ることは解りますが、多分世の中の乳がん患者(いや、乳がんに限らず癌患者は皆)をれを恐れてるんだよ

 

「彼女の詳しい病状は解らないし、たまたま免疫力が落ちていたのかもしれないし、外国では二十歳くらいの人も亡くなってる。誰がどうなるかは解らない」

 

…ここで、外科の先生の言った「免疫力なんて数値は無い」を思い出す

 

同じお医者さんでも『免疫力』って言葉を使う先生と、使わない先生がいるんだね~…と参考になる

 

ただ、外科の先生、放射線科の先生共に言うのは

 

「彼女(岡江久美子さん)はたまたま亡くなっただけ」

(乳がん患者が皆そうなるわけじゃない)

 

…確かに一般人でもコロナに罹患して軽症で済む人、無症状の人、重症化する人、様々だもんね…

 

ただ、私が今回印象に残ったのはやはり、外科の先生の言った

「免疫力なんて数値はない。血液とかは数値で出るけど、免疫力なんて数値はありません」が凄く印象的でした。

 

説得力ある理数系、って感じですよね

 

 

半年検査

 手術から半年という事で検査をしました。

 

検査内容は

・血液検査

・エコー

・CT

 

…しかし

 

検査の予約をした頃と大きく環境が変わりました。

 

まず病院の入口で検温

熱が無い事を確認して入ると手指の消毒

(しかし機械で出てくるはずの消毒液が出てこなかった。2、3回チャレンジしたけど出ないので諦めて進む)

 

診察受付機(タッチパネル)で「あれ…もし感染するとしたらココじゃね?」と思い

診察受付後持参している消毒液で手指消毒

 

本日は検査のみなので検査室へ直行

 

血液検査を待つソファも1人おきにしか座れないようになってます。

 

血液検査のところもビニールカーテンやアクリル板

 

そして次にエコー

 

エコーだけは検査技師さんではなく主治医の先生が行います。

 

私が朝一番の検査だと思っていたけど私の前に呼ばれている人が。

それはいい。

先生の声があまり…機嫌よくなさげ…?

うわぁ。久々なのにまたテンパってるのかなぁ…?

 

と思いながら待っていると呼ばれました。

 

 

久々に先生の顔見たけど…前髪こんなに短かったっけ?(顔半分マスクで隠れてるし目元しか見えない)

 

エコーを終えた時「クリームまだ残ってる?」と聞かれ、恐る恐る

「ケチって使ってたのでまだ2本残ってます…」と言ったら

「多めに出したからそれはいいよ。赤くなってる部分に刷り込むように塗ってね」

と言われる

 

…え?これって固くなった部分を揉みほぐすためじゃなかったの!?

 

思わず聞いてしまったら

 

「赤くなってる全体に刷り込むような感じで塗ってください」

…もしかして放射線治療で皮膚の色が変わってるのを治すためのクリームだったの?(解ってなかった。そして先生も今までこんなに丁寧に説明してなかった)

 

そして聞きたかったもう一つ。

 

「あのぅ…もしかして私は新型コロナに罹患したら…アウトですか?」

と聞くと

「どうして?」

と聞き返される

しかも目力強い状態でまっすぐ見てくる(今まで診察室で目があった事一度しかないぞ)

 

 

岡江久美子さん…私と治療スケジュール一緒なんですよ。だから…」

と言うと

 

「彼女はたまたまです。皆、コロナにかかっても重症化するとは限らないし、無症状の人、軽症で済む人、重症化する人、それぞれです。癌患者が一概に重症化するとは限りません」

 

「でも亡くなった時、免疫力が落ちてるからとか言ってませんでしたか?」

と言うと

 

「免疫力なんて、数値の無いものです。血液検査の結果とかだったら数値が出るけど、免疫力なんて数値がありません」

 

…確かに。

 

それでも

「でも(乳がんは)基礎疾患じゃないんですか?基礎疾患のある人は重篤化しやすいって…」

と言いかけている途中で

 

「感染リスクなら僕の方が高いです」

 

…ん?やや逆ギレ気味?

もしかして同じような事、何人にも聞かれてちょっとイラついてる?

 

 

「今だって三密だし」

(エコー検査室内での会話です)

 

先生の言葉に思わず周囲をぐるりと見渡し・・・・

 

「…ほんとだぁ」

超、間抜けな声を出してしまいました

 

確かに三密かもしれない。

 

(しかし、言い訳するなら私は先生の前の椅子には座らずに斜め前の位置のベッドの端に座ってたんだぞ。ソーシャルディスタンスに気を使ってるぞ)

 

 

 

「ナイトクラブへ行った人が罹ってるっていうけど、全員かかってるワケじゃないでしょ?

出来るのは手洗い、うがいの予防です。皆一緒です」

 

…つまり有効治療薬が無い事は皆、一緒だから予防しかないって事やね

 

放射線治療、まだやってたっけ?」

と聞かれ思わず

 

「違うよ!」

とタメ口が出てしまった…

 

そして再び

「誰が重症化するか、なんて解りません」

と言われたので

 

「つまり皆、命を掛けたロシアンルーレットやってる、って事ですね」

と言ってしまいました。

 

しかし何故かここで笑顔気味になる先生

 

…先生の笑いのツボとお怒り(?)のツボが解らないよ

 

とりあえず納得。

 

そしてコロナの影響で病院へ来る人が減っているお蔭か、やはり先生は精神的に余裕があるらしく、目は合うし、説明も少し詳しくしてくれるし

 

…やっぱり先生は笑っていてくれる方が安心しますね

衝撃でした

女優の岡江久美子さんが新型コロナで亡くなりました

 

初めて知ったのですが、岡江さんは初期乳がんで昨年12月末に乳がん手術を受け、放射線治療を1月~2月に受けていたとの事。

 

 

…私と同じ治療スケジュールです

 

岡江さんがどのような程度の癌だったのかは解りませんが(抗がん剤治療は恐らくしてないと思いますが、ステージとか癌の顔つきとか)

 

乳がん患者は新型コロナウイルスに罹患したら、

 

 

助からないのでしょうか

 

 

 

 

 

私と同じように不安になっている人はきっとたくさんいると思います

 

ご遺族の許可があれば

岡江さんに施された治療内容(乳がん新型コロナウイルス両方とも)や、喫煙などの生活習慣を含めて教えて頂くことは出来ないでしょうか