退院狂想曲
結局手術翌日の夜も、その次の夜もシーツを汚してしまいました。
看護士さんには「皆そうなので気にしなくて良いですよ」と言われても
お手間を取らせてしまったことを申し訳なく思う。
そして最近は看護士さんは男性もいるので
「今夜のガーゼ交換担当は僕ですが、女性がいい、という希望でしたら女性看護師に代わります」
とも言われました
しかし看護士さんが忙しいのは重々承知しているので「構いません」とお願いしました
ガーゼしてるのに背中から汚れてしまうってどうしてなんだろう…
しかし、ガーゼをきっちり止めると(肌が弱いので)テープでカブレてしまう
先生は「きっちり止めないようにすれば肌に負担かからないから」
とゆったり目に留めてくれるのですが、そうするとガーゼが外れやすくなってしまう…
サージカルテープで肌が赤くカブレているのを先生は結構気にしてくれていて、テープも肌への負担の低いものに交換してくれていました。
それでもやっぱりガーゼの隙間からもれてくるよね…
明日は退院、という日の夜、ようやくシーツを汚さずに済みました。
退院日前日に「何時頃退院希望ですか?」と聞かれ「では午前11時頃」と答えました
…思えば入院した日に「退院の人のベッドが空くのが午後だ」と言われていたのを考えるべきだった…
当日の朝
先生は病棟には来ず
…この日、先生が外来担当で午前中は外来に出ていることも考慮するべきだった
そう。
午前中退院希望、と言ったものの、胸に刺さってるドレーンを抜いてもらわなくてはならない
つまり先生を捕まえなくてはならない
のですが
この病院。乳腺外科の先生は一人しかいないのです
午前中の時間が10時を過ぎたころからソワソワ…しかし何の音さたもなし。
病棟看護士さんが申し訳なさそうに
「外来に電話したのですが、『今検査室いっちゃった』って言われて、検査室に聞いたら『病理行っちゃった』って言われて掴まらないんです~」
…忙しいんだね。先生。いつもフットワーク軽く動いてるもんなぁ
そしてその後「外来に降りてきて」と言われて降りていくと
「…たった今先生出て行っちゃった…」
すごすごと病棟へ帰る
退院を午前中、っていうのは無謀だったのかな…
結局外来に降りてきて、と言われたのは、外来受付時間終了後でした
ドレーンを抜かれる処理をしている時に
「交換用のガーゼとか、ドラッグストアで買えばいいんですか?」と聞くと
「買わなくってもあげるよ」と
ガーゼ、シール、サージカルテープ一式全部くれました
…掌の上に積み上げられたけどな
どうやって病棟まで持って帰ろう…と思案していると外来ナースさんがビニール袋をくれました
お昼も食べて、簡単に荷物の整理をしても、家人が来ない(一度帰った)
入院中は貴重品は持ち込まないようにしていたので、大金は持ってきておらず、退院が決まった時点で家人にお金を持ってきてもらう事にしていました
つまり入院費の清算が出来ない
仕方なくベッドの上に座っていると、外来を終えた先生が病棟に上がってきて、まだベッドにいる私を見ると「まだ帰ってなかったの?」とやってくる
(この先生、階段を上がってくるので階段近くの部屋の入口付近にいた私のところに一番に来る確率が高い)
「金持ってるやつが来ないんですよ」
と言いつつ、外来じゃ聞けなかった退院後に関する質問と放射線治療についての質問をする。
が、放射線治療が具体的にいつ始まるのかは解らず
…すぐに放射線治療に入ってほしいんだけどなぁ(有給が…)
とりあえずは退院1週間後に通院で決定。
この病院は放射線治療の機械は無いので、他の病院を紹介してもらう事になります。
大学病院か、電車で4駅の病院か…
考えておいてね、と言われましたが、私の答えは「早く済む方」
多分大学病院は1日仕事になる
私は仕事に復帰したら、仕事と放射線治療の通院治療とになると思うので
待ち時間や清算で時間がかかるのはなぁ…と思っていたのです。
先生も「機械清算をしてるかどうか…」という状態だったのでこれはもう少し調べよう、と考える。
色々お話をして、思えば一番ゆっくり話をしたのはこれが初めてかも
そして、数少ない先生の笑顔を見た瞬間でもありました
多分、先生は外来の時(余裕がないのか)笑わないから、きっと今後も見られない。
ご挨拶をして、その後迎えに来た家人と帰宅
しかしこの後の誤算は
帰宅しただけでゼーゼー肩で息をしている状態
すぐに布団を敷いて、パジャマに着替えて横になったのでした