晴天の霹靂

自分が癌になるなんて思ってもみなかった人間が、初めて癌になって知ったことを色々書き留める日記。誰のためでもない、自分のための備忘録

目覚めたら待っていたのは

左肩を叩かれて意識が戻ったら手術は終わっていました。

しかし同時に吐き気が襲ってきて用意されていたビニール袋にリバース

 

全身麻酔の副作用ってこんなにキツかったっけ…?

 

この後吐き気に苦しめられ続けるとは思わず

 

ストレッチャーに乗って病棟へ移動

そのままナースステーション隣の処置室へ

 

とにかく頻繁に襲い来る吐き気との戦い。

うつらうつら…しかかると襲ってくる吐き気(しかし吐いたのは2回くらい)

時計を見ると、大体ワンセットが20分くらい

 

…今夜一晩この苦しみが続くのか…

 

途中、物凄く足がつったり、吐き気に苦しめられ続けたり。

 

看護士さんが背中をさすってくれて何度も

「大丈夫、大丈夫ですよ~」

と言ってくれたのですが、とにかく気持ち悪かった

 

付き添ってくれていた家人が帰宅した後もひっきりなしにくる吐き気に、その度に時計を見ていました。

 

しかし、8時、9時、とたまたま時計を見ると、いつも先生がいる

 

…一体いつ帰るの…?と気になる

夜9時で消灯されてしまったため、その後は時計は見えませんでしたが何度も目覚めてました。

 

汗をかいていたせいで、心電図が外れて何度も看護士さんが訪れていたり

 

うつらうつらしながら地獄の一晩を過ごし、朝6時になると電気がつく

 

…とてもじゃないけどさわやかな目覚めではない

 

8時になると朝食がそばに置かれましたが、とても食べる気にはなれない

 

先生が来て「このベッド、ボタンで動かせるから自分のいいようにベッドの角度変えていいからね」と教えてくれたり

 

しかし、やはり吐き気が酷くて吐いてしまいました

 

…何も食べてないから吐くのは胃液

 

喉が焼けるようでした

 

ずっとうつらうつら状態でいると、私の名前を呼ぶ声が

 

目を開けると、他科の先生が「電子カルテ見たら入院してるっていうから」と声を掛けに来てくれました(他の用事も勿論あったけど)

 

「…全身麻酔ってこんなに気持ち悪くなるもの?」と聞くと

「僕(手術したとき)3時間で麻酔から立ち直ったよ」

…ダメだ。タフさが売りの医者に聞いた私がバカだった

 

ずっと具合が悪いのは治らず、しかし看護士さんに

「この処置室からもう出てもらわないとならないので」と言われ、ふらっふらの状態で病室へ戻される

 

目を満足に開けられない状態で一人で歩かされるとは…

 

この日は食事が来ても何も食べられず、お茶を飲むのが精いっぱい(脱水症状おこしたくないからね)

 

やっとの思いで起き上がってトイレに行っていると、そんな時に限ってくる先生

 

看護士さんが「さっき由良さんのとこに先生来てたけど、いなかったから先生ナースステーションでテレビ見てたんですよ~。あ。これ内緒ね♪」

と言ってるほのぼの病棟…

 

訪れた先生に「どんな風に気持ち悪いの?」と聞かれ

 

「頭痛のない二日酔い…」

と答えると「ムカムカ?」と聞かれ力なく頷く

 

この夜は結局吐き気止めも聞かず、座薬を入れられてしまったのでした。

 

消灯になり、やはりうつらうつらしながら、喉が渇いて、やっとこ起き上がって残っていたペット茶を飲む。

そして振り返ると…

 

シーツが赤く染まってるぅ~!

 

やっとこナースコールして呼び、シーツを見てもらうと

「…下まで通っちゃってるね。全部変えましょう」となりもう一人の看護士さんとベッドの布団から交換してくれる

 

「パジャマも変えますか?」と聞かれやっとこ替えのパジャマをだし、着替えさせてもらう

さらに「水洗いしておけば、洗濯の時、血が落ちやすくなりますよね」

と水洗いまでしてくれる

 

・・・ありがたや。

具合が悪くて満足にお礼は言えなかったけど

 

「由良さんの表情、少し良くなった気がします」と言われました。

 

…うん。トイレに行った時、一瞬鏡に映った姿は自分ながら

 

落ち武者

 

だったもんね

 

まだヘロヘロだけど、多少は楽になって横になったのでありました