晴天の霹靂

自分が癌になるなんて思ってもみなかった人間が、初めて癌になって知ったことを色々書き留める日記。誰のためでもない、自分のための備忘録

手術当日

病院の起床時間は6時です。

手術当日の私には朝もはよから看護士さんが体温やら脈拍やら測りに来ます。

そしてベッドの枕元に札が下げられてました(○/○手術。担当医○○先生)←こんな札

そして食事抜きの代わりに点滴開始。

 

枕元に下げられた札には

絶飲食:朝6時から

と書いてありましたが先生から「手術は午後1時半くらいだから、11時くらいまでは水分は取っていいですよ」と言われてました。

なのでちまちまお茶を飲みつつ、入れ替わり立ち替わりやってくる看護士さんと話す

 

すると「禁飲食ってありますよね?水分取らないでください」と言われ、

「あれ…?先生は11時頃まではいいって…」と思いつつ謝っておく。

 

先生もちょこちょこ顔を見せに来ていて、

「昨夜は眠れましたか?」

と聞いてくれた事に対して

「熟睡です!」と即答

 

後から家人に「そんな回答する患者は珍しいんじゃないか」と言われるものの

入院前日まで仕事していた疲れが堪えている

 

点滴はスタンドに吊るされているのでトイレにも行けます。

しかし点滴スタンドを連れてトイレ行くのって意外と大変なのね。

 

トイレの個室から出るとき、点滴スタンドが出せずにジタバタしていたら清掃の人がドアを押さえてくれました…

 

人の情けが身に染みるぜ

 

またまたベッドに戻り安静にしていると再びやってきた先生が

「胸にマーキングしたのもう一度確認しますね。薄くなっていたら書き足します。あと、写真にも撮るよ」

「パジャマは脱いだ方が良いですか?」

「そうだね」

という事でパジャマを脱ごうと思ったのだけど…

 

片腕点滴してるとパジャマって脱ぎにくいのね

 

ここでもジタバタしていると見かねた先生が手伝ってくれました

 

やっとこパジャマを脱いで先生が定規を手にマーキング

(このマーキングは手術後、両方の乳首の位置が同じくらいになるように、や

外側に引っ張られてしまうのを内側に寄せるための目印です)

 

そしてデジカメで撮影

「顔は撮らないようにするからね~」

と言われるものの、どう返せばよいか解らず「…」

後から家人に「それは先生なりのジョークなのでは?」と言われる

 

…解りにくい。真面目な口調だからジョークとは思わなかった

 

先生が去った後、ふと見ると定規が置いてある

 

…プレゼント?

んなワケあるか。おそらく先生の忘れもの。取りに来なかったら貰っちゃうよ!

くらいの気持ちでいたら、暫くしたら先生が

「…忘れ物しちゃった」と照れくさそうにやってきました。

…私へのプレゼントではなかったのか(当たり前)

 

そして先生に「さっき禁飲食って言われましたけど水分取っちゃいました。すみません」と謝ると

「11時半頃までは取っていい、って言ったでしょ?」というので

看護士さんから…というと、ちょっと先生がブツブツ言ってる

 

…あんまり先生と看護士さんの医師の疎通って出来てないのかな…?

疑問に思いつつ水分取っても大丈夫、と解り一安心。

 

パジャマから手術用の衣服に着替えていると、

点滴が上手く入っていないことが判明

左腕がパンパンに腫れてる~!!

 

看護士さんがルート取りに挑戦するも失敗につぐ失敗。

 

見守る師長の顔も曇りがち

…頼む。師長がルート取ってくれ。

 

と思うものの変わってくれない。

左腕は失敗だらけで穴だらけ(5~6か所失敗してる)

 

「先生がここはダメ、って言ったけど(肘の辺りの可動部分)仕方ない、やっちゃえ!」とチャレンジしているけど失敗してる

 

…よっぽど足から取るとか、右腕とかじゃダメなの?と聞きそうになる

(足も右腕もダメでした)

 

そうこうしていると、様子を見に来た先生が、無言になったあと

「…もう、いい。手術室でやる」

…先生がやってくんないかなぁ。先生の注射は痛くないもんなぁ

 

手術室が急遽空いたとのことでドタバタで手術室へ向かう

 

…ってゆ~か、歩いて手術室に向かうの初めて。

 

手術室に入ると、氏名と手術場所の確認となります(ここからは手術室の看護士さん)

 

そして手術台に横になると左腕のルート取り失敗の跡を見た先生が(肘の辺りの失敗を見て)

「…ここからは取るな、って言ったのに」

…先生は静かに怒る人だったんだね。

 

手術室に入る前に弾性ソックスというものを履かされていたのですが、さらにエアクッションみたいなものを足に巻き、エコノミークラス症候群を防ぐような処置がされます

(だから足から点滴ルート取れなかったんだね)

 

麻酔科医の人がルート取りをするもの、…何か痛い。

私の表情がおかしいのに気付いたのか「痛いですか?」

「針が刺さってたら痛いと思うんですけど」

「もう針は刺さってないですよ。プラスチックで。もしかして弁に引っかかってるのかな」

 

…頼む。この病院、ルート取り上手な人いないのかよ(検査の時の点滴失敗と言い)

 

そう思っていると、先生が電話がかかってきて話していて手術室の奥へ行ってしまう

 

…忙しいんだなぁ。手術直前まで電話かかってくるなんて。

 

しかし眠りに落ちたら次は(目覚めた時は)手術後なんだよね。

 

そう思っていると知らぬ間に眠りに落ちていたのでした